2024/10/06 14:05


発行所 小鳥書房
発行者 落合加依子
編著 落合加依子 佐藤友理
装丁・組版 佐藤友理
部屋は、言葉を話すわけじゃない。でもありったけの息を吸って暮らすわたしたちを、静かに見守ったり叱ったりしているのかもしれない。
職業も住む場所もさまざまな100人の、ひとり暮らしの記録集📗
わたしの場合は…
これまで周囲に助けられ、支えられ、満たされて生きてきた人生を、労せずして得られた豊かな暮らしを、一度すべてリセットするために始めた「ひとり暮らし」。
コロナが世界を脅かし始めたばかりの頃だ。
ようやく自分の足で立ち上がることができた。
この齢になって初めて。
それは果てしなく自由で、無限に孤独で。
何時に寝てもいいし、何時に食べてもいい。
けれど生きていくために働く。働くために学ぶ。
いつしか、生活にルーティンができる。
夜遅くに仕事から帰り、24時間オープンの都会のスーパーで甘栗を買う。
毎晩夜明けまで本を読みながら完食する。
自由と責任は常にセットだ。
太古の昔からかの哲学者たちが名言を遺している。
フロイトにいたっては「ほとんどの人間は実のところ自由を欲しがっていない。 なぜなら自由には責任が伴うからである。 ほとんどの人間は責任を負うことを恐れている。」と語っている。
人生で一度は自由の真実を知る必要があった。
再生するために。
あまりに短期間にあり得ないことが起きすぎた。
人はきっと、家族のために、他者のために「しなければならないこと」があるから、規則正しいリズムの中に身を置き、ときにはそこから抜け出したいとすら思えるのだろう。
小さな部屋の小さなベッドで夜明けを待つ人。
そして、仕事や暮らしの、大切な「秘密基地」を見つけた人。
たくさんの人に、この奇跡のような素晴らしい一冊を手にして欲しい。
お笑い芸人、画家、大学生、店主、ITエンジニア、イラストレーター、、、見開き1ページ分のエッセイと1ページ分の部屋の写真を寄稿された皆さん全ての方が友人だと思える不思議。
顔も知らないのに。
明日も続いていく「生活」のほんの「一瞬」を垣間見ただけなのに。
まるで、その人の部屋にお邪魔したような錯覚に陥る。
そこには不思議と痛さ、辛さ、寂しさよりも、清々しいほどの開放感とひとりの気楽さがある。
しかし、同時にひとりで存在する時間のための「責任」は平等に課せられている。
自由はわがままじゃない。
人々が互いを妨げることなく自分自身を幸福にすること。
支配からの卒業。