2025/02/01 14:59


「何も失っていない人などいない。

こんなに悲しくても料理だけはやると落ち着くんだよね。作ったら食べなきゃだし、ちゃんとお腹がすく。
家族、恋人、夢、健康…大切なものを失いながら、それでもみんな立ち上がり、今日もご飯を作っている。
台所と食を通じて人生を立て直した人々を描くノンフィクション。」

私の母は亡くなる直前、父の好物の牡蠣のしぐれ煮を作っていたようです。
鍋に作りたてのものが残されていました🍲
母が何十年も毎晩磨き上げ、しずく1つ残さず丁寧に拭き取られた清潔なキッチンで、今わたしはお客さまのために神保町カレーを煮込み、スイーツを作り、紅茶を淹れています。
お茶を淹れるためのお湯を沸かすことさえしなかった父が、妻なきあと、自分のために目玉焼きを焼いたり、コーヒーを淹れたりする後ろ姿を何年も見てきました☕

結局私が作った料理はほとんど口にしなかった父。
その父も亡くし、そして色々なものを失った私もまた、日々料理をすることで癒やされています。
料理をして誰かに美味しいと言いながら食べてもらえる、、、それはもしかしたら日々の生活の中で、最大の喜び、そして生きる希望ですらあるかもしれません。
病気を抱えて、通院していても、自分のためのご飯は毎日作りますよね🔪🍆🍳
当たり前の日々の営み。それが生きている証。

私にこの本をプレゼントしてくださったお客さまに、読んでみてすぐにエムズさんのことが浮かんだよ、と言われて、ブックカフェをしながらお客さまのためにお茶やスイーツ、お料理をして私は再生してきたのだな、と改めて実感させられました。

誰もが持っている「喪失」そして「再生」のドキュメンタリー。

大平一枝さんの作品は店舗に色々置いています📚